「こんにちは!」子供達が元気に書道教室に通ってきます。机に座って、さあ練習開始!でも、なかなかうまく書けなくて苦労している様子です。そんな時私は子供達に、「お手本をよーく見て、よーくまねするんだよ。」と言います。子供達の耳にタコが出来るのではないかと思うくらい言っています。お手本を良く見て、良くまねをすること、これが書道を学ぶ上で一番大切なことであり、とても難しいことなのです。
よーくまねをするって、どういうことでしょうか。字の形も同じ、線の太さも同じ、折れ方、止め方、はね方、はらい方、点、お手本をよーく見て、同じに書くのです。これはとても難しいことなので、気持ちが大切です。全く同じに書くぞ!という意気込みが大切です。はじめは線を一本まねするにも時間がかかると思いますし、なかなかうまくまね出来ないとは思いますが、あせらずじっくり練習しましょう。
まねをする時、どういう筆づかいをするのか分からないという技術的な問題にぶつかると思いますが、それを教えていくのは書道の先生の役目です。先生も一生懸命教えたいと思います。
書道教室をはじめてから、大人の皆さんに「上手に宛名や年賀状が書きたいのだけど、書道を習う暇がないのです。」という声をかけて頂くことが何度かありました。確かに教室に通うのは簡単ではありません。もしお家で少しだけ時間がとれれば、市販の練習本でペン字を練習してみてはいかがでしょうか。
本屋さんにいけば、色々な種類のペン字の練習本が出版されています。それらをペラペラめくって内容を見て、
「これなら続けられるかな。」とか、
「こんな字が書けるようになりたい。」
というもの購入して、1週間に1度でも2度でも良いので練習します。その時のポイントは、やはりお手本をよーく見て、よーくまねをして書くことです。自分の癖が出ては意味がないので、気合を入れてまねしましょう。はじめは1文字書くにも時間がかかるとは思いますが、徐々に早く書けるようになり、癖も消えていくことと思います。長い目でお試し下さい。
さて、最後に少しだけ、私の現在の書道の恩師である小野寺峰秋先生との出会いについて書きたいと思います。
仙台に引っ越してきた私は、師範位を取り書道教室を開くことを目標に、右も左もわからぬまま東北書道会の事務局に電話しました。小野寺峰秋先生を紹介して頂いて、はじめて峰秋先生のご自宅の教室に伺い先生の書いたお手本を見た時の衝撃は忘れられません。
「こんな完璧なお手本は見たことがない!」
「こんな美しい書を書く人に会ったことがない!」
古典に裏付けされた字は美しく味わいがあり、様々な書体も書風も自在に書きこなす姿に、ただただ感嘆するばかりでした。そしてその時、自分も先生のように書けるようになりたいと強烈に思ったのです。それから私もお手本をよーく見て、よーくまねをしながら練習し、今にいたっています(^o^)。